仮想通貨は雰囲気でやっている医者の日常

医者の仮想通貨(@BJ_TRON)のアカウントで答えられなかった健康相談の話とか。

扁桃腺を切る基準

扁桃腺でまだ消耗してんの?

 

って人は切るべき

と言うか私は幼稚園の頃から延々

39度の熱を出し続けていた

 

2ヶ月に1回くらいのペースなので

その度に脳みそはダメージを受けてたと思う

 

しかしなまじうちは薬があり

親父が熱出す度に私に砕いたボルタレンを飲ませて

とりあえず熱下げたから終わりだ!って感じだった

 

親にそうやって育てられたら

当然子供は

熱が出たら熱下げたら終わり

と言う学習をする

 

そうやってずっと生きてきて

ある日気付く

 

(皆何でそんなに熱出さんのや?)

 

と。

家族も熱出してないけど

自分の年齢の人間とはこういう物と

勝手に思っていたからそんなに気にせず進学

 

やたら休む私に周りは

「仮病やろ」

と言っていたし私も内心

「仮病なんやろなー」

と思っていた

 

しかしある時大学病院を辞めて

東京に飛び出した私は初めて

手持ちの薬が全くない

と言う経験をした

 

と言うかこれが世間一般の普通だよ……

東京の勤務先は超絶ホワイトだったので(クソ忙しい代わりに休みの時には基本呼ばれないレベル)

「え?先生熱あんの??帰りなよ!」

と副院長に言われ、

「え!?熱あるだけなのに帰っていいんですか!?」

と言って滅茶苦茶心配された

 

しかも副院長の同級生が病院から自宅の間に

耳鼻咽喉科を開業してるとかで

わざわざ紹介状まで持たせてくれた

 

余りの優しさに

「熱?いつものだろ?ロキソニン飲んだら良い」

と大学病院で言われてそのまま出勤して

インフルエンザのパンデミック起こした

苦い思い出がフツフツと湧き上がる

 

(ノロでもやらかしたことをここに懺悔します)

 

耳鼻咽喉科では恰幅のいいけどどこか愛想のない

(多分滅茶苦茶混んでたので診療に必死)

副院長の同級生の先生が私を診察室に迎え入れた

 

「はい、口開けてー」

あがー

「君口開けるの上手いな!?」

 

私は長年の炎症慣れのせいで舌圧子(舌抑える棒)無しで上手に扁桃腺を見せる能力がある

 

そしてチラッと見た瞬間、先生は

「日赤にする?」

と言ってきた

 

「日赤??」

「他にする?日赤で良ければすぐとってもらえるし」

「え?何をです?」

入院

 

私は普通に入院レベルで扁桃腺が真っ白に膿んでいた

 

「え!?入院!?仕事が……」

「いや、これ入院だよ…点滴要るよ……」

「仕事休むとして何とか自宅で出来ませんかね?」

「ええ……どうすんの?」

「ルートキープしといてもらって、

   生食シリンジ貰えたら自分で点滴やるんで」

 

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↑ほんまコレそのまんまである

 

「何でそんなに入院嫌なの!?

   一人暮らしだろ!?」

「いや、今までこんな程度で休んだら怒られてたし

    生きてきましたし!」

 

完全に思考がブラック企業に務めてる人だった

 

結局、耳鼻咽喉科の院長から副院長に連絡が入り

私は無事?出勤停止になった

(めちゃくちゃ有給多い病院だった)

 

その時耳鼻咽喉科の院長に言われたのは

我慢するところではない

扁桃腺今は腫れすぎてて分からんけど

多分切った方がイイ

 

は、初耳~~~(授業で習いましたが???)

 

いや、習っていたけど自分がまさか?

みたいな感じで結局自宅で自己点滴して

強引に治しきりました

バカだよ本当に

 

結局その後又関西に帰ってからも

少し体力落ちたら扁桃腺腫れまくり

それを勝手に内服してどーにかする

と言うダメ患者ぶりを加速させて行っていた

 

しかしある日遂に諦める日が来た

熱が上がりすぎてロキソニンが効かず

けいれん発作みたいな悪心(ブルブル震える奴)が

止まらなくなったのだ

 

内心「あ、これ死ぬかもしれん」と思いつつ

AmazonNOWで必要物資を買い込みつつ

どーにか勤務に穴を開けても怒られんように

勤務調整をせなならんなーと考えていた

 

因みに扁桃腺の切除術の適応はいくつかある

・年に2、3回高熱が出る

・飲み込みに支障が出るくらいデカい

・扁桃腺に生えてたら良くない細菌が生えてる

・扁桃腺の周囲まで膿む

 

私は上記1つでも当てはまれば~の所、

3つクリアしていた

(しかも後で判明するが、私の扁桃腺は炎症を繰り返し過ぎていて、滅茶苦茶でかいのに中にめり込んでいたから見た目そんなにでかく無かっただけだったので四冠王であった)

 

しかもめり込んでいたせいで手術が難航し

口から手ぇ突っ込んで盲目的に掘る

しか無かったと後で執刀医から聞かされたと言う

割と悲惨な手術になった

 

ICUで目覚めたら枕元にどす黒い玉が2つ置いてあり

見舞いに来たオカンがそれを見て

取れたての時もっとピンクだったのよー

と、血で呼吸出来ない上に術後熱でうなされている

私の目の前に自分のiPhoneとiPadで撮影した

ピンクの取れたて扁桃腺を見せつけまくってきた

のも最早いい思い出である

 

因みにオカンは何でも写真に撮りたがるので

1回おじが急性胆管炎で緊急手術になった時

「私美容院の予約あるから!

  これ(iPad)渡しとくから!

  胆嚢を先生が出してきたら撮っといて!

と言って去って行かれたことがある。

 

そして私もそれを素直に聞いて

胆嚢をコルクボードに広げて出てきた先生に

一言断ってiPadで写真撮ろうとして

オカンのiPadをおじの胆嚢の上に落としました

 

あの時の先生、マジでごめん

 

話が飛んだがこの手術

滅茶苦茶トラブったので他の人の参考にならんけど

又明日続き書きます

 

で、何でこんな話書いてるかというと

扁桃腺切った後快適に生きてたのに

気管支炎になってるからです

 

やっぱり仮病なのでは…?