仮想通貨は雰囲気でやっている医者の日常

医者の仮想通貨(@BJ_TRON)のアカウントで答えられなかった健康相談の話とか。

がんの治療の選択と主治医のポジションってどうなんだろう

長い雨だったなぁ…とジムをサボりがちだったBJです
大雨特別警報がようやく終了したものの
依然二次災害の危険は高いので皆様お気をつけ下さい

 

 

今日は大腸がんの疑いが濃厚な母と食事に
(生検結果まだ出てないらしいので焼肉希望。キムチとかいいのか…)
と内心思いつつも、がんだった時より確実に
がんじゃない今食ったほうが気分がいいと思うのでOK

 


母は薬剤師としては色々仕事をしており
話を聞いてても「幅広いなぁ」と思うので
私自身は薬剤師に対しては尊敬しかしていない
あんまりそういうスタンスの医者がいないそうで

 

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専門家同士が認め合えないってのはとても寒いというか
相手の技術や知識を知らないのに尊重しないのは
本当に世界が狭いと私は考えてしまう

 

 

 

まぁこれ言ったところで
マザコン乙
って言う奴は居るってのも知ってるけど

 

 

自分より腹が丈夫な母が
カルビだのロースだの食ってるのを見ると
逆じゃなくて良かったなぁと心底思う

 

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うちは親父家系が皆腹が弱いので
親父が生前は外食に行く先が
いつも決まった店の決まったメニューだった

 

 

 

母とは親子関係としては余りうまく行っていないけれど
仕事仲間として距離を取ることにしてからは
以前に比べると非常に良い関係を築けて居る

 

 

 

で、もりもり肉を平らげながら母が親戚のおばの話を出した
おばは最近咳が続いて居るという話で依然相談され
他の話を聞いていても一回腫瘍マーカー取るほうがいい
前から勧めていた人だった

 

 

 

結果としては肺がんで
脳転移もあるためガンマナイフの予約を取った
と言うところまでは話を聞いていた

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「ところで●●君のこと覚えてる?」
●●は高校の同級生だった
私とは全然違う医学部に行って
確か高校の近くの実家に帰って医者になっていたはずだ

 

 

●●君が主治医なのよ」
何という偶然なんだろう
学生時代の彼は非常に大らかないいやつで
成績も優秀だったしいつもニコニコしていて
彼が主治医なら一安心という気持ちになった

 

 

 

「●●君と最近会った?」
大学が違ったのと、私が色々移動していた都合で
私が彼を最後に見たのは高校の卒業式だった

 

 

 

「彼、今の職場のストレスなのか
 アトピーが酷いみたいでね」
え?●●がアトピーだった記憶がない
むしろもち肌だったのでちょっと驚いた

 

 

聞くところによるとかなり酷いらしく
診察でベッドサイドに回ってきても
常にイライラした雰囲気におばは感じるようだ

 

 

 

その結果自分のこれからの治療計画
使う薬の副作用なども全く聞けないままらしい
(おばは普通の専業主婦)

 

 

 

「私が薬剤名聞いたらある程度は言えるけど
 採血データとか病院も違うから見れないし
 主治医が居るのに説明するのも横槍じゃない?」

 

 

確かに自分がそれをやられたらかなりイラっとする
言うて私もがん領域から退いた後なので
色々話をあーだこーだするのは●●からしても嫌だろう

 

 

 

おばは混乱したのか思い切り抗がん剤治療をしないを提唱する
某K医師の話を聞くために退院しようとして居るらしい
正直今の状態でそれをやると8月持つのかわからんラインになる

 

 

こう言う時身内に止める人間がいればいいが
誰もがんのことを分かっていない患者&家族だと
うっかり間違った治療に向かったり
抗がん剤や放射線を拒否してキノコを一杯取ったりするだろう

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がんの治療というのは非常に大きな落とし穴がある
五年生存率で大概のがんが語られるが
五年生存率は5年後に生きて居る確率ではない
五年生存率は五年間再発しなければ治癒とみなす指標だ

 

 

 

診断されてから5年後生きてるか?を見るなら
サバイバー生存率を見るべきだが

多分こっちの単語は余り知られていない気がする

 

 

 

がんの化学療法をネットで調べると
Google検索ではかなり上に
抗がん剤ががんを増やす
というHPが上がってくる

 

 

 

しかしデメリットばかりを強調して
メリットは一切見ないのもどうかと思う
現状全身状態が良い転移のある肺がん患者には
化学療法を行うことが推奨されている

 

 

 

これはエビデンスがあるためであり
感情論とかではない科学的な話である
しかしこの治療は世間のイメージ通り
かなりしんどい副作用が伴う

 

 

ここで私の経験上、
この薬が始まってから一週間は吐き気が強いです
 しかし点滴には吐き気どめが入ってますし、
 必要であれば吐き気どめを追加で飲めるので
 吐き気があればすぐに言ってください
と説明をしていた場合吐気があっても患者の反応は落ち着いていた

 

 

脱毛に関しても
毛が朝起きたら枕にバッサーと落ちてますが
 皆起こります。そして化学療法が終わると生えてきます
 白髪は何でか不明ですが黒髪になることがあります
と説明して居ると脱毛時も許容範囲が広がっていたように思う

 

 

 

あとは同じ病気の入院患者さん同士
怖がらずに会話することを勧めていた
先に発病した患者は病気の先輩であり
対象方法を他の先輩から聞いて居ることが多い

 

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それは我々医療人ではわからないような
ほんの些細なことであったり
誰が点滴が上手いとか下手だとか
そういう雑談だったりする

 

 

一人でがんは戦うには厳しすぎる病気なのだと思うし
「先生この間◯◯さんの点滴失敗したんだって?」
とか言われると気まずいながらも他の人と
交流があることがわかり勝手に安心していた

 

 

だから今のおばの状況は心配になった
●●のことも。
説明するの嫌がるような奴じゃなかったのに

 

 

でも自分もがんを診ていた時
かなりしんどかったから●●のストレスもわかる
今度おばが嫌がらなかったら

話を聞くだけ聞きに行きたい

 

 

それも負担になるかも知れんから
どうしようかなぁと悩むラインではある

 

 

何かまとまらないブログ続きで申し訳ない
しかも今度は台風かぁ…
天災続きですが読まれて居る方皆様お気を付けください。

 

 


PS
@BJ_TRONのプレゼント企画無事終了
ご応募ありがとうございました
当選者の方から「被災して落ち込んでいたところに嬉しい話」
とご感想頂けました。金額の大小でもないとも

 

 

人にプレゼントしたのに

私が何かを受け取れたという
非常に感慨深い企画となりました
因みにお送りしたアマギフ1000円は
m3.comで私がちまちま貯めたポイントでした

 

 

又ポイント貯まったら何かの企画で還元します。