男脳女脳って話が質問で来たので
勢いでまとめたらなんか見当はずれな
明後日な方向に飛んで行ってしまった
反省中のBJです。
(いつものことです)
目次
ジェンダーとは
さて
ジェンダーって何だと思うだろうか
この言葉で即ピンと来る人は
数年前でもかなり少なかったと思う
(今でも十分ではないだろう)
ジェンダーというのは
その人の肉体の性別
ではない
その人の
社会的心理的性別
をジェンダーと言う
英語で言うところの
生物学的性別はSEXと言うので
ジェンダー(gender)とは
分けて考えて使用すべきである
社会におけるジェンダーの定義
これは常に変化していることを
十分に理解しておく必要がある
例えば今のステレオタイプと言われる
「男らしく」は
働いて、嫁をもらって、
家族を養って行くもの
だろうし
「女らしく」は
おしとやかで、嫁に行って
家事をしながら、子育てする
って感じだろうか
ステレオタイプの意味は
先入観、思い込み、
認識、固定観念、
レッテル、偏見、差別
なので当然いい意味じゃない
しかし十数年前(下手したら今も)は
男の子は黒のランドセルで
外でサッカーだの野球だのすべきだし
女の子が赤いランドセルで
おままごとやお人形遊びをしていて
「いいお子さんね」
と周りのおばちゃんに言われていたのだ
ここ数年で大きくこの辺は変わった
ランドセルの色がまず多彩だ
女の子が茶色のランドセルを背負うし
(本人に言ったらきっと「チョコ!」って
怒られるんだろうけれど)
男の子は別にスポーツ刈りになんか
ならなくたっていい
これは個々人の多様性が世間に
認められたと言う訳ではない
世間の
「これくらいなら
大きな逸脱と言わないだろう」
と言う幅が広がっただけだ
そして型に嵌め込まれる
当然男の子がスカートを履きたいと言えば
未だに親にぶん殴られるか泣かれるか
反応は違えど拒絶される時代のまま
我々は表面上の「性差別をしない世界」に
だらっと訳知り顔で存在しているに過ぎない
男脳、女脳
そもそも男脳、女脳というのは何なのか
発端はこの質問だった
私たち医師は医学生時代絶対解剖を経験する
解剖室でご検体が男女の順で並んでおり
交互の班で解剖を指導されながら行うが
(交互にして隣と交換で男女差の観察を行う)
私(男性担当)の両隣は女性のご検体のはずが
片方はどうも様子が違った
胸部からシリコンが出てきたし
女性器が存在しなかった
つまりMTF(肉体は男性だがジェンダーが女性)の
ご検体だったようだった
(正確には昔のことだから性転換術を受けただけの
男性だった可能性はゼロではない)
脳の解剖で特に何か大きな変化はなかった
これは私の担当の男性、隣のMTFの女性、
もう一人の女性で肉眼的に観察して言えることだ
(重量や病気によっての変化は除外する)
となるとよく言われている
男女脳ってのは何を指すのだろうか?
世間でいう男脳女脳
そもそも男脳って何やねん?と思い
Google先生に我にsearchあれしたら
死ぬほどとんでもない記事を発見した
これ、嘘しか書いてないぞ
マズローの五段階説は男女関係ない
(以前書きました↓)
こういうページが野放しになってたら
そら皆「男ってこうなんだから」
とか言うな…ネットって怖い
因みに偶然にも上記記事で
「どのSNSでも女性に間違えられる友人」
の話が出ているがこれもジェンダーに関係する
彼は滅茶苦茶話が聞き上手で
ゲームのチャットでは概ね
恋愛相談を受けている
あとは可愛いものが好きなのと
絵を描く都合で可愛い季節限定コスメに詳しい
(デザインが参考になる場合買うこともある)
活動範囲がアイドル系の漫画なので
女性あるあるを調べるために
女性の知り合いからこういう時どうするのか等
あるあるネタは常に収集している
と言い訳しているがかなり本人から
出てくるネタが多いことは知っている
しかし彼の性自認は男性だ
上記の男性脳とは大きくかけ離れているが?
少し前に流行った本で
「話を聞かない男、地図が読めない女」
ってな感じのタイトルが流行った
(余りに下らなさ過ぎて未読
面白いなら読みます)
上記の彼は全くこの条件に当てはまらない
話を誰よりも聞くし、共感性も高い
そしてうちのオカンはチラッと見た地図で
目的地まで何百kmも運転出来る
しかしこのタイトルがばか売れしたってことは
「あ〜女って奴は地図が読めないよな」
「そうそう、男って話聞かないわよね」
と思った男女がこぞって買ったからだろう
しかしこれは脳の性差ではなく
私は個体差だと強く主張したい
そもそも地図って文化がない文明に
地図を持って行っても誰も読めないのだ
(昔TVでやってたけど失念した)
ここから地図を読むという能力は
脳に差があるわけではなく
後天的な学習によって読めるようになるもの
であることがわかる
地図という文化が無い文明の人は
A「ここにある紙にはあの山が書いてある」
B「あああれだね」
A「そしてこの木がここに書いてある」
B「この木がこれね」
A「そして君の村がここに書いてある」
B「へぇそうなの」
A「便利でしょ?」
B「え?何で?何が?」
A「行ったことない所もわかるよ」
B「行ったことない所のことなんか
見ないとわからないよ」
A「こうやって地図を見たらわかるでしょ?」
B「わからないよ、だってどれかどれか
見たことないからわからない」
という会話になる
これはBは何もふざけていない
三次元を二次元に落とし込むという
地図にある暗黙のルールを知らないと
絶対に地図は読めないものなのだ
これは男女差とは言えないのではないだろうか
でも私は女脳
これを書いている間に質問箱のツリーに
色んな意見がきた
「女脳だと思う」と
お、女脳って何なんだ??
と改めて検索すると
系統が見えてきた
男は理論的、女は感情的
男は解決の話、女は共感の話
男はオチのある話、女はあやふやな話
男ははっきり言われないとわからない
女は雰囲気で察して欲しい
男はフォルダ保存、女は上書き保存
…ここで思い出されるのは
日本人大好き血液型占い!
だ。
これは内容をシャッフルしても
ある程度権威のある人物が
それっぽく言ってたら
「あ〜自分Aだけどそういう所あるわ」
と同意してしまうという話だ
感情的な男はいないのか
男の話で解決策が確実に出るのか
男の話には必ずオチがつくのか
男にはっきり言うと解決するのか
男で上書き保存する奴はいないのか
これ、なんで男性で書いたかと言うと
この時期よく出てくる戦争論と絡めました
(危険な題材だ…)
これ、上記の条件が本気で揃ってるなら
各国首脳会議で全部講和条約結べるだろ?
感情と打算で国同士が戦争する時には
どう考えてもここにある男性脳は
どこかにお留守になっているようにしか
思えないんだがどうなんだろう
戦争って理性的かね??
男だって感情的になって会社で怒鳴り、
解決策もなく無駄な会議を延々とやり、
オチのない話を酒飲んで上司が部下に絡み、
はっきりとこのやり方はまずいと言われたら無言になり、
過去の失敗した事業のことはすっかり忘れて上書き保存
めっちゃ聞く話なんだがこれ女脳らしいぞ
女性がじゃあ真逆かと言われたら
これは女性の現代社会コミュニティ形成に
かなり大きい範囲で依存するのでこうなると思う
やや逃げの話で恐縮です
女の子はアンテナを張っていないと中々
キラキラ女子として生きていけないと
よく看護師から愚痴られるけどこれは
現代だからです
(キラキラせなあかんの?そもそも)
どこと比べてるのかって言われたら
第二次世界大戦時の
ジェンダーと比べている
戦時中のジェンダー
戦時中、男は戦場に行った
国内は年寄りと女子供と病人のみ
そうなると国内で今まで男性がやっていた
工場内の仕事を必然的に女性がやることになる
生産ラインと効率を考え(理論的)
実際に軍需に必要な部品を作成し(解決策)
何がいつまでに必要か、
具体的な話を必要とし(オチのある話)
何かしら失敗したら生かして、
次回の制作に間に合わせる(フォルダ保存)
これを女性が普通にこなしていたのだ
要するに今
「男性脳」「女性脳」と言われているのは
その社会が作り出した
「男性らしさ」「女性らしさ」
でしかなく(そもそもそれがジェンダーだ)
これは時代で大逆転をすると言うことが
ご理解頂けただろうか
ここでやっと目的の
ジェンダーと性認識に話が戻る
性認識とは
ジェンダーとセックス
先ほどから何度も言っているように
ジェンダーは社会が求める形で変わる
アルバニアのこのような文化にも注目されたし
以前ロシアでも似たような風習があったが失念
世界中にいるこのような
選択的に社会的男性性をとる女性
と言うのはFTMではない
FTM(Female to Male)は
性同一性障害というカテゴリの状態である
(今はDSM5の改訂により「性別違和」へ変更された)
女性として肉体が生まれたが
精神は男性であるという状態であり
逆の肉体は男性、精神は女性のことは
MTF(Male to Female)という
上記の文化では別に彼女たちは
「女性ではない」と思って宣言をしていない
生きるために、財産家族を守るために、
まぁ中には男性として生きるために
宣誓をした人々なのだ
この人たちに女脳の話は非常にナンセンスだ
ここで問題は性別違和を持つ人間が
どのような状況になるかである
現状性別違和を抱く人間は選択肢が二つある
1)そのまま生きる
2)戸籍も肉体も認識に一致させる
めちゃくちゃ大事なのは
肉体が男性で性別違和を抱いている人は
オカマなのかというとほとんどがNOだと思う
まず日本のGID(Gender Identity Disorder、性別違和のこと)の
治療ガイドラインとして女装癖は性別違和ではないとしている
そもそも性別違和は治療が必要なのか
という紛争もあるが今回それは置いておく
男性として生まれたが
自分に男性器があること自体を受け入れられず
男性と間違えられるような服装で生活し
女性トイレを使うことに精神的苦痛が大きい場合
(完全に男女を逆に読み替えても良い)
GID外来に相談すべきだが日本では非常に少ない
なぜなら訴訟が多いからだ
手術はリスクが大きい
本来しないと死ぬ手術ではない
精神を癒す手術に完璧なものは存在しない
数年後突然訴訟を起こしたケースもある
そして訴訟の多さの一つに
異性ホルモンの投与の関係はあると思う
(やっと本題です)
よく女性がヒスるとか言うが
肉体が女性である性別違和の人に
男性ホルモンを投与すると安定するかと言えば
かなり不安定になる
これは女性ホルモンを投与された
肉体が男性である性別違和を持つ人も同じだ
話が前に戻るが男性は
一切ヒスを起こさない訳でもない
いらすと屋さんでも女性がヒスの象徴のようで
要するに人間だから不安定になるし
それに性差はあんまり関係ないが
極端に今までなかった性ホルモンが
人工的にドバッとくると男女関係なく
めっちゃ不安定になりやすい
と言う結論しか出せないのだ
で、質問に戻ろう
個人差だろ!!!!
文字数が多くなりすぎたので
後日GIDの治療と
トランスジェンダー、性嗜好、
そしてアセクシャルの話を
またまとめようと思います…
マジで個人を大きな括りで評価して
わかったような気持ちになると言う
低レベルなところから皆早く脱却して
個人個人の尊重される社会へ向かおう…
ここまで読んだ人お疲れ様でした